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優しい愛し方
白雪姫
昔々あるところに、至って凡庸な見た目のお姫様がいました。
お姫さまは顔こそ平凡ですが、美しい黒髪に、キメ細かく、美しい白い肌を持っていました。
だから人々はお姫さまのことをこう呼びました。
白雪姫、と。


「鏡よ鏡、世界で一番美しいのは誰だい?」

「白雪姫」

「あ"?誰だそいつ、昨日まで僕だったじゃないか!」

「そんなこと言ってもね、王妃様、私の判断基準は成人以上なんですよ、つまり、昨日まで白雪姫は成人していなかったから、候補者から除外していただけで彼が生まれた瞬間から、世界で一番美しいのは白雪姫でしたよ、貴方は二番ですね」

「お黙りっ、よくもまぁベラベラ僕を貶してくれたね!鏡!叩き割るよ!?」

「落ち着いて下さいよ、王妃様、いいじゃないですか別に、国で一番格好いいアルフレド様と結婚できたんだから」

「良くないよ、鏡、僕は貪欲なんだ、一番じゃなきゃ気が済まない」

「困りましたね」

「ところで鏡、昨日までは僕もアルフレドも世界で一番だったけど、まさかアルフレド迄二番手になり下がったんじゃないだろうね」

「ご安心ください」

「何だ、杞憂ならそれで......」

「アルフレド様は三番手です」

「なんやてっ!?......はっ、つい昔の癖で関西弁が、いや、そんなことより!どーゆうことだ、アルフレドが三番手だなんて」

「これまた、昨日成人したばかりの青年が二人いまして、彼等が同率一位です、よってアルフレド様は三番手となります」

「いやぁ!!何てことだ!美形夫婦と名高い僕らが二番三番手だなんて!国一番の恥だ!鏡!その白雪姫とか言う奴はどこにいる」

「白雪姫は森でたくましく生きていらしますよ」

「そうか、さぞ貧相な暮らしでもしているのだろう、丁度いい、毒でも仕込んだ菓子でも渡すとしよう」

「殺してどうするんですか、白雪姫を、仮に彼を殺して貴方が一番になっても、アルフレド様に至っては三番手ですよ?」

「そんなもの僕の男にすればいい、白雪姫がいなくなれば、僕が一番美しいのだから、断るわけ無かろう」

「何て腹黒」

「叩き割るよ」

「ごめんなさい」

「よろしい」

こうして、大きな国の王妃様に命を狙われることになった白雪姫。
彼の命運はいかに。


キャスト
白雪姫=御木
王様=アルフレド
王妃様=ユオン
謎の世界で一番格好いい男=征生
謎の世界で一番格好いい男=郁

でお届けします。

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