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人間嫌いとサイコパス
お嬢様の朝
「お目覚めですか、お嬢様」

「へ?」

目が覚めて開口一番にそう言われて、驚かないはずがない。
今ぼくの目の前にいるのは間違いなく紅だ。
執事が着るような服を着た紅だ。
然し、此処はいつもの部屋ではない。
何故か豪華な調度品、天涯付のベッド、知りもしない部屋で寝ていたぼく。
いったいどうなっているんだ?

「べ、紅?」

「はい、何ですかぁ?お嬢様」

「どこ、ここ」

「...まだ、寝惚けていらっしゃるのですねぇ」

そういっていきなりキスされた。
舌まで入ってきて、くちゅくちゅと音がなって恥ずかしい。
いや、それよりも、今どうゆう状況?!

「眼は、覚めましたか?」

うっとりするような笑顔で、微笑まれて、胸がときめいてしまった。

「は、恥ずかしいことするなよ...」

「おや、もっと恥ずかしいこと何時もしてるじゃないですか、夜に」

夜に、の部分を耳元でささやかれてすごく恥ずかしい。
顔が赤くなるのが自分でもわかった。

「赤くなって、可愛いやつ」

そのまま耳を舐められて、涙が滲んできた。

「ちょっと、虐めすぎちゃったかなぁ?ゴメンね、お嬢様」

「さっきから気になってたんだけど、そのお嬢様って言うのやめてよ、僕は男だ」

「何いってるのぉ?しゅーはお嬢様なんだからお嬢様であってるんだよぉ」

至極真面目と云った風に紅が言うので僕はもう何がなんだかわからなくなった。

「さぁ、お喋りはこの辺にして、着替えますよぉ」

「...」

紅が着替えとして持ってきたのは、どこからどう見ても、女物のドレスだった。
しかも思いっきり露出度の高いやつ。

「これ、女物じゃ...」

「そぉだよ?しゅーはいつも着てるじゃない」

何時もこんなもの着てた覚えはありません。
冗談かと思って紅を見ると、ニヤニヤしたいつもの顔で何考えてるのか分からなかった。

「着なきゃ、だめ?」

「お嬢様は裸で過ごしたいんですかぁ?」

「解ったよ...」

「良い子」

紅はそういうと僕の夜着を脱がしにかかった。

「ええ!ちょちょちょ、待って!自分で着替えれるから!」

「...?いつもの俺が着付けてるじゃん、急にどうしたのぉ?」

いつもとか知らないから!
もうやだこの夢。
切実にそう思った。
紅は不思議そうな顔をしていたけど割りとあっさり手を引いた。

「.........紅」

「んー?」

「あっち向いてて」

「何でですかぁ?」

ニヤニヤした顔でずっとこっちを見つめる紅。
これは確信犯だ。

「恥ずかしいんだよ!」

「もっと恥ずかしいことs......」

顔面に枕を叩きつけた。
避けられたけど。
第一、僕は紅と性交何てしたこと無い。
この世界観に未だつきていけそうもないと、本気で思った。

その後紅の視線を感じながら、羞恥プレイかのごとく着替えさせられ、無事に朝を終了した。




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