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美しい化け物
5

She saw a dead man on the ground:

And from his nose unto his chin,

The worms crawled out,the worms crawled in

Then she unto the parson said,

Shall I be so when I am dead?

oh,yes! oh,yes! the parson said,

You will be so when you are dead.





床の死体

鼻から顎に蛆虫が這っている

女は聞いた

私も死んだらこうなるの?

ああ!牧師は言った

お前も死ねば腐るのさ




「There was a lady all skin and bone」

「正解、さすが遼」

「機嫌悪いね、京」

「そんなことないさ」

「そう?」

「ああ」

嘘です。
僕は今あまり機嫌はよくありません。
それは単(ひとえ)にこの間の女の子が理由でした。
美しい二人が頭から離れないのです。
彼はあのことどうゆう関係なのでしょうか。
そればかり考えてしまいます。
彼に聞けば良いのでしょう。
きっと彼は答えてくれます。
しかし、臆病な僕にはそれが出来ませんでした。
もし、彼があのこと男女の仲にあろうものなら僕はまた醜い嫉妬に駆られるでしょう。
それは出来れば避けたい事でした。
彼は僕が醜いことを誰より嘆き、嫌悪しています。
ああ、彼の前でこれ以上醜い本性をさらしたくない。

「・・・雪」

「・・・?」

あからさまな話題転換です。
僕は口下手なのです。
ああ、困った。

「今夜は、雪が、降るらしいよ」

「そう、雪が」

「春なのにね」

「寒ければ、季節なんて関係なく降るさ」

「そうだね、いつ振りかな」

「さて、もうはしゃぐ歳でもない」

「ああ、それもそうなんだけど・・・」

季節は春。
高校三年生の僕らは大人になろうとしていた。
お互い進路の話しはしたことがありません。
心のどこかで、今この瞬間が終る事を恐れ、二人でいられる未来を夢想してきました。
しかし、夢は夢。
現実ではありません。
いつか離れるときが来るのでしょう。
それは近いうちに。

「遼」

「何」

「何処に行くの」

「・・・どこにも」

彼は、そういいました。
僕は、またたずねました。

「ずっと一緒?」

「・・・・」

彼は黙りました。
胸ちくんと痛みました。
分かっています。
永遠なんてないのです。





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あきゅろす。
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