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short novel
五月雨(前編)
雨水が頬を濡らす
貴方の面影追いかけて
私はただただ前へと進む




キキーッ!

「いやぁーーー!!」




「希美!?大丈夫!!??」

目覚めたとき私の目に映ったのは、真っ白な天井と青い顔をして私の顔を覗き込む父と母の姿だった。

「・・・ここ・・どこ?あたし・・・なんでここに?」

戸惑いを隠せぬまま、頭に浮かぶことを口にする。まだぼやける目を両親へと向けると、二人は困惑した表情をした。

「ここは病院よ。あなた圭吾くんと帰ってる途中、事故に遭ったのよ。」
「え・・圭吾と・・・?じゃ、じゃあ圭吾は!?」

体を勢いよく起こし、押し寄せてくる不安に潰されそうになる。

そんな私を二人が悲しそうな瞳で見つめ返す。
父が曖昧に開けていた口をわずかに動かし呟いた。


「もうここにはいないんだ」


父の言った言葉は私の耳を通り抜けただけで脳に刻ませようとはしない。「・・待って。待ってよ!ここにいないって・・どういうこと?・・・圭吾?!圭吾ぉ!どこにいるのよぉ!!」

「圭吾くんは亡くなったんだ!お前を庇って・・命を落としたんだ!!」

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あきゅろす。
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