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あなたを想う

担任をどこかで見たことがあるような気がして、うーんと思い出そうとしていると。矢祭先輩が服を引っ張ってきて、オレは思い出すことを中断した。

「あ、すみません」

先輩に連れられてやってきた来客室は、やっぱりというか、なんというか……うん、もう吃驚しないよ。

矢祭先輩とソファに座って待ってたんだけど、このソファ超フカフカなんですけど!うわぁこのソファ欲しいかも…

 オレがソファのフカフカ感にホクホクしていたら、どこからかケータイの着信の音が聞こえてきた。オレのじゃないから、矢祭先輩のケータイみたいだ。

「あ、ごめん僕だ。ちょっとごめんね」

「どうぞどうぞ、気にしないでください」

矢祭先輩は、ソファから立ち上がって少し離れた所で話を始めた。矢祭先輩って美人だし、ケータイ持って立って話してるだけなのになんか絵になるし?非の打ち所がないってこんな感じなのかな?

 オレは矢祭先輩をジロジロ見過ぎていることに気がつき、慌てて目を逸らせた。オレってば、変態っぽいじゃん!?

やることもなくて、ポヤーってしていたら。電話が終わったらしく矢祭先輩が戻ってきた。

「ごめんね。何かまた鷲見君が問題を起こしちゃったみたいで…狭山先生が来たら僕はちょっと席を外すよ。多分三十分位したら戻ってくるから、ここで待っててね」

電話を終えた先輩は何だか雰囲気がピリピリしていた。矢祭先輩って職員室まで話しながら来た感じでは、あんまり怒ったりすることないタイプだと思うんだけど。

 ある意味大物だよ、鷲見君!

「ああ、例の鷲見君ですか…矢祭先輩も大変ですね。判りました。先生には授業の事とか詳しく聞いておくので三十分はかかると思います」

「そうしてもらえると助かるよ。ホント鷲見…あーもうマリモでいいや。マリモには頭を悩まされるよ」

あっ、さっきは言い直したのに何か開き直ってるよ?まぁ、矢祭先輩が我慢ならないくらいの人なんだろうから仕方ないのかな?何か顔もウンザリって顔してるし…

あぁ、矢祭先輩溜め息なんか吐いたら幸せが逃げちゃいますよ。

「矢祭先輩実は普段から鷲見君のことマリモって言ってるんじゃないですか?さっきもマリモって言いそうになってましたし」

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