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お互いの恋愛事情【連載中】
処女でしょ

何がなんだかわからない。
何がどうなってるのかわからない。




あたしがわかることは、

ここが保健室ってことと。
あたしが保健室のベッドの上にいるってことと。
目の前に、同じベッドに寝転んだ『不良の森川マサト』がいるってことと。





…なぜかあたしが、その森川マサトの腕の中にいるってこと。







タバコのにおい。
香水のにおい。
それに混じって、女の子とは違った男の子特有のにおいが鼻をくすぐる。


制服の上から、わずかな体温を感じて。
硬い胸板に押し付けられた頬が火照る。






どうしよう。
心臓がすごいバクバクいってる。
森川マサトに聞こえるんじゃないかってくらい大きい音で鼓動を繰り返してる。


お願いだから、静まって。
あたしの心臓…!





「小林さんさ…、」

胸板から伝わる、低い声にゾクッとする。


男の子とこんなにくっついたことなんて小学校以来で、男と女ってこんなに違うんだって実感してしまう。



「…な…なに?」

緊張で少し声が震える。



けど、それに気付かれないように出来るだけ気丈に振舞わなきゃいけない。


気付かれちゃダメ。
取り乱しちゃダメ。
落ち着いて。
冷静に。
平常心。



だって『不良』は、人が困れば困るほど喜ぶんだか―…、










「処女でしょ?」

「…………っ…?!!」




想定外の質問に、あたしの体は森川マサトの腕の中で過剰に反応してしまった。




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