[携帯モード] [URL送信]

お互いの恋愛事情【連載中】
メガネ


―…どのくらい眠っていたのか。





シャーッ!



ベッドのまわりを囲っているカーテンを乱暴に開ける音で、あたしは目を覚ました。

目の前にはカーテンを開けたらしい人影が立っていて、ボンヤリと白い服が見える。



メガネを外したあたしに相手の顔ははっきりとは見えないけど、ここは保健室。
まずは勝手にベッドを使ってしまったことを先生に謝ろうと、



「…先生、すいません。ベッドを勝手に…、」


急いで身体を起こして手探りでメガネを探し―…、







「あぁ〜、小林さんか。メガネかけてなかったから誰だかわかんなかった。」


聞こえてきたそのおちゃらけた声に、思わずその動きを止めた。





メガネをかけていなくても、よく見れば先生じゃないことくらいわかったはずなのに…。
体格も、服装も、髪色も、先生とは全く違うのに…。






「小林さん、メガネとったら美人じゃん。」



なぜ間違えてしまったのか。
寝起きのせいか。
体調不良のせいか。




理由はいくらでも付け足せる。

けど、よりによって…、






「あー、見えないのか。ほい、メガネ。」







間違えて話し掛けてしまったその相手は、あたしが最も苦手な人種、

『不良』の『森川マサト』だった。




[*前へ][次へ#]

6/53ページ

[戻る]


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!