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お互いの恋愛事情【連載中】
なんでここに

「見るだけでキュ〜って胸が痛くなったりドキドキしたりして。本人がいてもいなくてもその人のことばっかり考えてどうしようもなくなっちゃって。好きになっちゃいけないと思えば思うほど好きになっちゃうんだよね〜。」

数学の小池先生に恋しているアサミは、授業1つ分の時間みっちりと『恋』について語ってくれて、



「あ。じゃああたし次数学だからいくけど、マキちゃんはもう1時間保健室で安静にしてること。恋の病ですからー!」

と、わけのわからない言葉を残して保健室を出て行った。



あたしはアサミの出て行ったドアを見つめて小さく笑う。





自分以外誰もいない、静まり返った保健室。




今からどうしよう。

体調が悪いわけでもなければ眠いわけでもないので、眠れそうにもない。
アサミに突然首根っこ掴まれて連れて来られたから本なんか持ってるはずもない。





授業に向かう先生か、授業に遅れた生徒か、ドアの向こうからパタパタと足音が聞こえる。
ちらほらと保健室のドアの前を通り過ぎていく足音たち。
会話をしながら通り過ぎていく足音もある。



そんな中、足音の一つがドアの前で一瞬止まり保健室のドアがガラッと音を立てた。

続け様にもう一度ガラッと音がしてドアが閉じられると、足音がゆっくりとあたしが座っているベッドへと近付いてくる。






そして、目の前の閉じられたカーテンがシャーッと開けられ目が合ったのは、白衣の保健室の先生。







…―ではなく。







「小林さん。また熱出てんの?」

あたしの顔を見てフッと笑う、金髪に着崩した制服の『森川マサト』だった。



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