お互いの恋愛事情【連載中】
隣の席の不良
「ねぇ、マサト〜。」
「ん?」
「彼女にするならどういう子〜?」
休み時間に聞こえてくる男女数人のグループ会話。
同じ教室の隣の席だから、聞く気がなくたって内容までしっかり聞こえてしまう。
「そりゃあやっぱり、」
「やっぱり?」
「ボンキュッボンッ!だろ!?」
「キャハハハ!エロマサト!」
「マサトの頭の中はそういうことしかないもんね!」
「男はみんなそういうもん!なぁ?」
「お前だけだ。オレは違うし〜。」
「おまっ…、自分だけいいヤツぶってんじゃねぇよ!」
「キャハハハハハ!」
いつも会話の中心は隣の席の人物。
『森川マサト』
派手な金髪。
着崩した制服。
左右の耳にピアス。
机の上には教科書ではなく携帯電話。
制服の胸ポケットには堂々とタバコとライター。
校則違反だらけ。
誰がどう見たって『不良』。
人から物を巻き上げたりはしないし、
売られたケンカを買うことはあっても、自分からケンカを売るって話も聞いたことはないけど、
それでも、あたしから見れば『不良』は『不良』。
『不良』は、怖い。
『不良』は、みんな怖い。
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