お互いの恋愛事情【連載中】
言葉と共に
なんで、あたしが。
なんで、不良の森川マサトに。
なんで、そんなことを言われなきゃならないのか。
あたしと森川マサトは、席が隣同士ってだけでロクに会話をしたこともないような関係。
あたしが『ウワサ』と『隣の席から聞こえてくる会話』でしか森川マサトのことを知らないように、森川マサトだってあたしのことをその程度しか知らないはず。
というか、
地味に生きてるあたしには、森川マサトみたいな『ウワサ』もなければ、隣の席に聞こえるほどの大声会話もないから、森川マサトはあたしのことなんて何も知らないに等しい。
なのに。
なんでそんなヤツにそんなことを言われなきゃいけないのか。
体調が悪いせいか、
予期せぬ発言に驚いたせいか、
相手が関わりたくない不良の森川マサトだからか、
あるいは、
図星をつかれたせいか。
「…ほっといてよっ!!!」
いつもなら完全にスルーしていたはずのこの状況で、思わず言い返してしまったあたしは、
「あたしのことなんてどうでもいいでしょう!?」
頭に血が上り、興奮し過ぎて…、
「あんたみたいな、遊び人、に………っ、」
「…………小林…、さん…?」
「……うっ、」
「待…っ……。」
さっきまで顔を埋めていた森川マサトの広い胸元めがけて、
「……っぐ…、」
「ちょっ…!!!」
「……うぇっ…!」
「………〜〜っ!」
胃の中のものまで、ぶちまけていた。
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