お互いの恋愛事情【連載中】
背中のリズム
背中に刻まれる優しいリズム。
すごく落ち着くそれは、森川マサトがあたしの背中をさすってくれている感触だってことに気付くのに時間はかからなかった。
「落ち着いたか?」
あたしの背中をゆっくりと大きな手で撫でながら、問いかける低い声。
薄目の、形のいい唇。
金色の長い前髪の隙間からのぞく、青味がかった黒い瞳。
瞬きするたびに、金色の前髪を揺らす長いまつげ。
筋の通った、高めの鼻。
森川マサトを見つめるあたしの中に、疑問が生まれる。
「ん?」
無言で見つめるあたしの顔を、不思議そうに覗き込む、森川マサト。
「どうした?」
…こんなんだっけ…?
「まだ吐きそ?」
『森川マサト』って……、
「お〜い??」
………こんな人だったっけ…?
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