素直なアマノジャク【連載中】
21
男が本気で押さえつけたら、
女は絶対に敵わない。
男が本気で手を出したら、
女は絶対に逃げられない。
「抵抗する理由もないだろ?」
耳もとでソッと囁かれ、鳥肌がたった。
耳や首筋にぬるっとした気持ち悪い感触。
めまいがする。
「そんなこわがんなよ。」
声を聞くたび、佐川の指や舌が触れるたびに吐き気がする。
こわくてこわくて。
気持ち悪くて。
逃げ出したくて。
それでも、どうすることも出来なくて。
必死にもがいてももがいても。
腕を振りほどくことが出来なくて。
どんなに抵抗しても逃げられないのなら、されるがままになるしかなくて。
恐怖で声も出せない今、
涙を流すことだけが唯一あたしに出来る抵抗だった。
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