素直なアマノジャク【連載中】
12
「…何してんの?」
思わず眉間にシワを寄せて聞く。
「ちいちゃん終わるの待ってた。」
かわいい笑顔で返された予想通りの答え。
くだらないお遊びは告白するまでじゃなくて、あたしをオトすまで?
まだ人迷惑な遊びは終わってないらしい。
今もどこかで友達が見ててみんなで笑ってるの?
こっちは迷惑してんだからいい加減にしてほしい。
「傘持ってないなら一緒に入ろ。」
『あおいそら』があたしに傘を差し出しながら言う。
冗談じゃない。
どこから見られてるかわかったもんじゃないのに『あおいそら』の傘なんかに入るわけないでしょう。
影で笑われるくらいなら、バケツの水かぶった方がまだマシなんだから。
「お・か・ま・い・なく!」
『あおいそら』と関わりたくない一心でわざとらしくクルッと背中を向けてザーザー音を立てる土砂降りの中に一歩踏み出した。
けど、あたしの足はそれ以上進むことはなく、
「ちいちゃん、風邪引く。」
「…っ離してよ。」
振り返って睨みつけると、
「ちいちゃんが一緒に傘入ってくれるなら。」
腕を掴む『あおいそら』が心配そうに眉を垂らしてあたしを見つめていた。
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