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あたし限定ホストクラブ3


押すとカランカランと音のする重い木のドア。
店内はどこもかしこも落ち着いた木目調で、名前の通りレトロな雰囲気の喫茶『レトロ』。



「おかしい…。」

「絶対おかしいよね…。」


今日も喫茶レトロの制服であるメイド服を着てバイトをしているあたしとミチルは、あやしんでいた。



なぜなら、いつも平日の夕方は近所の南高校の生徒で満席になるこの喫茶店がここ数日、異様なほど南高生が少なくて。


「スグルはここ数日バイト休みだし…。」

「超常連のナガレさんも来てないし…。」

「2人とも何も言わないし…。」



あやしい。
あやしい。
あやしい。

スグルもナガレくんも、2人そろってあやしい。
レトロに来る南高生が少ないのもおかしい。


これを怪しまずにいられるだろうか。
いや、いられない。
いられるわけがない。

絶対何か隠しているに違いない!





「あ。ミチル、アカリ。」

ミチルのお兄さんであり喫茶レトロの店主でもあるヒビキさんに声をかけられた。


「悪い。言い忘れ。明日からしばらく…つーか南高の文化祭終わるまでバイト休みな。」

「…文化祭!?」


あたしとミチルが声をそろえて顔を見合わせる。



「おう。確か来月の第2土曜だな。」

「…来月の第2土曜…。」

「あーでも、お前らは行、」

「ミチル!」

「うん!いくしかないよね、これは!」

「だね!」



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あきゅろす。
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