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保健室のシズマ先生【7ページ完結】


「お前さぁ、なんでそんなに授業サボんの?」



短か目の茶髪に左右3つのピアスホール。
机に向かい長い指で持ったペンで何かを書きながら一瞬だけこっちに視線を流す、どう見ても『先生』には見えない保健室の先生。
真田シズマ。




「……それは…、」


返答に詰まったあたしが思わず視線を泳がせると、

「まぁサボりたい気持ちはわかるが、そろそろ日数ヤベェぞ。」


普段は先生になんて見えないくせに、また机に向かって何かを書きながら珍しく先生らしいことを言ってきた。



一瞬、いつもの調子で反論しかけたけど、ここ最近保健室にばっか入り浸ってるし日数が危ないのは知ってたから慌てて口に手を当て言葉を飲み込んで。



「…うん。わかった。」

素直に頷いてみると。




「今日はえらく素直じゃねぇか。なんか変なもん食ったか?」

キリのいいとこまで書いたらしい先生が、ペンを置いて伸びをしながら回転椅子ごとこっちを向いた。




長いまつげに縁取られたセンセの目。
視線がぶつかってドキッとする。



「…先生こそ、珍しく先生らしいこと言ったじゃない。」

「アホか。オレはいつでも真面目に仕事してるだろ。」


めんどくさそうな言い方。
そのくせ、フッと笑ったその表情は優しくて。



あたしはまた、キュッと胸が苦しくなる。






「じゃあちゃんと仕事してるか見回りにくるね。」



先生の側にいたくて。
先生のこと独り占めしたくて。

授業中にならほとんど人が来ないからって理由で毎日授業をサボっては先生に会いに来て。







「授業日数足りる範囲でな。」

「………。」


やっぱり今日も、あたしの想いは一方通行なんだと痛感する。




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