あたし限定ホストクラブ2【120ページ完結】
『トモキ』
あたしは、初めてまつげパーマをしてもらってから、月に一度、まつげパーマのためにシズさんのお店に行く。
まつげパーマはだいたい1ヶ月でカール力がなくなるらしく、
元々の一重まぶたがまつげパーマの力で二重まぶたになったあたしのとっては、二重まぶたを保つために必須だった。
予約した時間通りにお店のガラス扉を開けると、
「いらっしゃい。」
お店の中であたしを出迎えてくれたのは、いつものシズさんじゃなくて。
「『アカリちゃん』?」
「…はい?」
見たことのない男の子だった。
年はたぶん、あたしと変わらないくらい。
黒髪の下に大きな目を覗かせて、あどけない顔でかわいく笑う、その男の子は、
「シズから話聞いてるよ。今日は俺がやるからね。」
話しやすくて、楽しそうに笑うこの感じが、とてもよく似ていて…。
「……シズさんの…息子…さん?」
思わず漏れたあたしの言葉に一瞬、驚いた表情をした黒髪の男の子は、
「そそ。俺、『トモキ』。よろしく〜。」
ニッコリと笑った。
「シズさんとそっくり…。」
あたしが目を丸くしてそう言うと、
「はは。よく言われるっ。」
トモキくんは、シズさんとそっくりな顔と仕草で笑った。
[*前へ][次へ#]
[戻る]
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!