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あたし限定ホストクラブ2【120ページ完結】
あやしい男前

ああでもないこうでもないと頭を抱えるあたしの目の前で、ジャリッと砂利を踏む音が聞こえ、



「迷子になった?」

艶のある甘い声が降ってきた。




初めて聞くその美声にしゃがみ込んでヒザを抱えたあたしが顔を上げると、

そこにはスグルに勝るとも劣らぬ、整った顔立ちの男の人が立っていた。



幼い顔のスグルに比べて、少し大人な雰囲気のその人は、暗くて髪色ははっきりわからないけど、少し長めの毛先を遊ばせ、整った男らしい顔付きと、柔らかな物腰に、うっとりするような甘い声で、


「ちょっとだけオレと話しない?」

ニッコリ笑った。





顔も声も、何もかもが全然違うのに、どことなくスグルを思わせる。





しかし、見知らぬあやしい男には違いないので、


「迷子で忙しいので、せっかくですけど!」

あたしが、手に持った携帯電話で再びスグルに電話をかけようとすると、



「はぐれた相手と合流出来るまででいいから。ちょっとだけ相手して?」

クスッと笑って、あたしに温かい缶コーヒーを差し出した。




…あやしい…!
明らかにあやしい…!!
何の目的であたしに声をかけてきたの!?

この差し出されたコーヒーだって何が入ってるかわからないし…!!

絶対にあ・や・し・い〜!!





頭の中でグルグル考えながら、これでもかってくらい不審者を見る目で睨むあたしを見た男の人は。


「ぷっ。」

突然吹き出し、



「あやしいなら飲まなくていいから、手温めなよ。」

可笑しそうに言って、もう一度、優しい笑顔で缶コーヒーを差し出した。



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