あたし限定ホストクラブ2【120ページ完結】
実験台
しばらくトモキくんと話し込んでいると、
「アカリちゃん、待たせてごめん〜!」
急いで来てくれたらしいシズさんがバタバタと部屋に入ってきた。
「いえーっ。トモキくんに上手にしてもらっちゃって!」
あたしが、クルンと上を向いたまつげを指差しながら上機嫌で言うと、シズさんは一瞬動きを止め。
「トモ…?勝手にやったね…?」
トモキくんに向かって低い声を出した。
「いや…あの…。」
トモキくんはシズさんの声にビクっと体を震わせる。
これは…、
どう見ても、シズさんがトモキくんにまつげパーマを頼んだ風ではなく、
トモキくんが勝手にまつげパーマをしちゃった図にしか見えない。
やっちゃった…?
トモキくんやっちゃった…?
シズさんのお怒りに触れちゃった…?!
でも。
あたし的にトモキくんはきっちりまつげパーマをしてくれたし、トモキくんとの話もおもしろくて。
「シズさん。トモキくんちゃんとやってくれて、あたしは大満足です!」
ニコっと笑顔でシズさんにそう話すと。
「…アカリちゃんがそういうなら…。」
と、シズさんも苦笑しながらも納得してくれた。
が。
シズさんの怒りはおさまり、ホッとしたのも束の間…。
あどけない顔でニッと笑ったトモキくんは、
「次も俺の実験台になってくれるとうれしーなっ。」
「………トモ、あんた…、」
シズさんに大目玉をくらってた。
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