あたし限定ホストクラブ2【120ページ完結】
言いたいことあるって顔
待受画面にスグルの写真を設定したときのスグルの言葉。
『アカリは俺を見てくれる?』
これはどういう意味だったの?
あたしの携帯電話の待受画面を見たナガレくんの反応。
スグルの写真付きチェーンメール。
……………わからない…!
わかることといえば、全部『写真』で繋がってることくらいで。
何度考えても『スグルは写真嫌い』しか思い付かないけど、それだけじゃスグルがあんな顔する理由も、あの言葉の意味もわからない…。
と、
…そこまで考えて、あたしはふと思った。
あたしは『スグルがあたしに言いたいことがあった』んだと思っていたけど、
あの言葉の後、すぐにポーカーフェイスで隠したってことは、スグルは本当はあたしには知られたくないことだったのかもしれない。
スグルが隠してることを、スグルにわざわざ聞いてもいいもんだろうか?
聞かれたくないから隠してるんだったら聞かない方がいいのかもしれないし…。
あたしは、どうすれば……?
「アカリ、なんか俺に言いたいことあるって顔してる。」
あたしが頭の中で考えていたことは、しっかり顔に出ていたらしく、夕食後、二階の自分の部屋のドアノブに手をかけたあたしにスグルがそう言った。
「…えっ!!?」
明らかに動揺したあたしにクスッと笑って、
「俺、また不安にさせてる?」
スグルはちょっと眉を垂らす。
不安はない…とは言わないけど、
『不安』とはちょっと違うような気がする。
「……不安はないけど…。」
「…けど?」
「聞きたいことはある…かも…。」
スグルは聞かれたくないことなのかもしれないけど。
言いたくないことかもしれないけど。
あたしは、やっぱりスグルの本心が知りたかった。
あたしに見せてくれない、スグルの内面を見せてほしかった。
スグルはあたしが話そうとしている内容がわかっているのか、いつものポーカーフェイスなのか、表情を変えずにいつもの笑顔で小さく頷いて、
「中で話そうか。」
あたしをスグルの部屋に入れてくれた。
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