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あたし限定ホストクラブ2【120ページ完結】
勘違い


「あたし、スグルが、好き、だから…、」

あたしが鼻水をすすりながら、


「…スグルが、メイちゃん、と付き合う、の、ヤダ…。」

言葉を吐き出した瞬間。












「アカリ、『付き合う』の意味、間違ってる。」


耳元でクスッと笑ったスグルの声が聞こえた。




「………へ……!?」


スグルの言葉に、あたしの思考がピタッと止まり、あたしの涙もピタッととまる。




何…!?
意味って!?
どういうこと…!?





スグルの言葉の意味が理解出来なくて呆然としているあたしを、抱きしめてた腕から解放したスグルは。

クルッと方向転換させ、あたしとスグルが向かい合うように立たせると、



「メイちゃんのお父さんの誕生日が再来週だから、プレゼント買いに行くの『付き合って』って言われたんだよ。」


フッと笑って、あたしの涙を拭いながら、そう説明してくれた。





「今日、アカリの様子がおかしかったのは気付いてたけど、まさかこんな勘違いしてるとは思ってなかったから…。ごめん。」


「…勘、違い…?」





つまり…、

あれですか。











メイちゃんとスグルが付き合うって話は、あたしが脳内で勝手に勘違いしただけの話で。

そんな事実は全くないのにあたし一人で『別れたくない』って泣きわめいてたってこと…?
…小学生のメイちゃんと付き合わないでってスグルに懇願してたってこと…?





………。






あたしってなんなの!?
小学生相手になにやってんの!?
メイちゃんまだ7歳だしね!?
結婚を前提にお父さんに紹介とかありえないしね!?




メイちゃんもメイちゃんだよ!!
お父さんのお誕生日プレゼント買いに行くんなら、『付き合ってもらう』とか言わずに『ついてきてもらう』とか言えばいいのにぃいっ!!!

あたし、なんて恥ずかしいのぉぉお!!!!







恥ずかしさで真っ赤になりながら心の中でメイちゃんに八つ当たりしたあたしを、正面からギュッと抱きしめ直したスグルは、


「俺は『アカリ』が好きだって、こんなに言ってても不安になる?」


吐息がかかるくらいあたしの耳元で、甘く囁いた。





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