あたし限定ホストクラブ2【120ページ完結】
付き合ってね
「メイちゃん、すごいね。」
スグルが、膝の上に抱っこしたメイちゃんに優しくそう言ってるのを聞いて、あたしの胸がギュッと痛くなる。
あたしが負けちゃったから、
スグルはメイちゃんの彼氏になっちゃうの?
あたしの彼氏じゃなくなっちゃうの?
「じゃあ約束通り付き合ってね。」
「うん。」
メイちゃんとスグルのそんな会話に涙が出そうになる。
悔しくて。
悲しくて。
やり切れなくて。
「お父さん、喜んでくれるといいね。」
いや…、お父さんに紹介はまだ早いんじゃないかな…。
メイちゃんまだ小学生だし、結婚を前提には…。
スグルの言葉に思わず心の中でツッコミ入れてしまい、虚しくなる。
あたしはどうしたらいいかわからなくて。
いつの間にかすごく仲良くなってる2人の会話を、ただ呆然と聞いているだけ。
でも、ボーッとしすぎてて、内容はほとんど頭に入ってこない。
あたしの頭の中は、
スグルはメイちゃんと付き合うんだってことと。
あたしはもうスグルの彼女じゃなくなるんだってこと。
そればかりが回ってて。
しばらくスグルと話していたメイちゃんが、スグルのヒザから降り、
「今日はもう帰る。またね。」
ご機嫌な様子で帰っていくと、リビングはスグルとあたしの二人きりになったけど、
涙目のあたしは、スグルと目を合わせることが出来なかった。
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