あたし限定ホストクラブ2【120ページ完結】
『メイ』
休日、玄関のドアを開けると…、
「アカリの彼氏、見に来た。」
目の前に、小さな従姉妹が立っていた。
従姉妹のメイちゃんは、ママのお姉さんの娘。
弱冠7歳にして、物事を冷静に判断する能力を持つこの子は、
よく言えば、賢くて。
悪く言えば、生意気で。
ちょっぴりおませな女の子だった。
「メ…、メイちゃん…どうしてここに、」
あたしが遠慮がちに聞いてみると、
「アカリの彼氏見に来たんだってば。」
メイちゃんは、めんどくさそうにそう言いながら、勝手に靴を脱いでズカズカと家に上がりこむ。
「いや、あの…、メイちゃん?」
あたしの声には全く耳を貸そうともしないメイちゃんは、そのままリビングへと入って行き、
リビングのソファで雑誌を読んでいたスグルが、こっちに気付いて顔を上げて、
「こんにちは?」
メイちゃんににっこり微笑みかけると…。
今までの沈着冷静なメイちゃんはどこへやら。
「こっ…、こんにちは…。」
メイちゃんの顔が一気にボッと赤く染まった。
ま…まさか…!?
超イヤな予感…!!
「…アカリ、ちゃんの従姉妹のメイですっ。」
真っ赤なメイちゃんは、あたしのことをいつも呼び捨てのくせに『アカリちゃん』と呼び、モジモジしながらも、しっかりスグルに自己紹介をしていて。
「初めまして。立花スグルです。」
スグルの優しい笑顔に、
「は…はじめまして。」
メイちゃんの目はハートになるくらい釘付けになっていた。
まさか、まさかのライバル出現…!?
あたしの恋のライバルは、小学生!?
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