あたし限定ホストクラブ2【120ページ完結】
見世物
スグルのベッドに2人で並んで座ったものの…、
何から話せばいいの…?
どれから話すべきなの…?
いろんな疑問を頭の中を巡らせ、
しばらくの沈黙の間に考えたあたしが、まず口に出したのは、
「…スグルは聞かれたくない話かもしれないけど…いい?」
これだった。
「いいよ。」
ちょっと眉を垂らして微笑んだスグルは、やっぱりあたしが次に言うことをわかってるように見えた。
あたしは、小さく深呼吸してから、遠慮がちに口を開く。
「あのね…、チェーンメール見た…。」
「…うん。」
スグルは、表情を変えることなく返事をしたけど、
「…あたしが見るのイヤだった…?」
あたしが聞くと、スグルは困ったような表情で笑っていて。
「……出来れば。」
笑っているのにひどく悲しそうに見えた。
…あたしは、こんな表情のスグルを初めて見た…。
こんな時なんて言えばいいのかわからない。
わからないけど、これ以上聞いてしまうのはスグルを傷つける気がして出来なくて。
「スグルがイヤなら、何も言わなくていい。もう聞かないから…。ごめんね…。」
そう言ってスグルの手をギュッと握った。
スグルが言いたくないなら、あたしは無理には聞かない。
スグルがいつも、『アカリが嫌がることはしたくない』って言ってくれてるように、あたしもスグルが嫌がることはしたくないから。
スグルが自分のことを話してくれないのはやっぱり寂しいけど、それがスグルの意思なら、あたしがどうこう言っちゃいけないと思―…、
「…俺、見世物みたいでイヤじゃない…?」
しばらくの沈黙の後、あたしの思考を遮ったのは、ポツリと呟いたスグルの言葉だった。
[*前へ][次へ#]
[戻る]
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!