あたし限定ホストクラブ2【120ページ完結】
隠し事?
「待ち受け画面がスグルになりました〜!」
「わぁ〜、よかったねぇ!」
学校でスグルの写真に変わった携帯電話の待ち受け画面をミチルに見せると、ミチルは自分のことのように手を叩いて喜んでくれた。
でも、ミチルに見せた待ち受け画面は、二番目にお気に入りのスグルの横顔の写真で。
昨日うまく撮れた、あの『笑顔のスグル』は…、
「これはさすがに恥ずかしいんだけど…。」
ってホントに恥ずかしそうに言うスグルに負けて、泣く泣く別の写真に変え、あの写真は毎日データフォルダから出して眺めることにしたのだった。
「…スグルになってる。」
喫茶レトロでバイト中、ポケットから落ちたあたしの携帯電話を拾ったナガレくんがなんとも言えない複雑な表情をして呟く。
…ナガレくんに見られるなら写真かえておいてよかったかもしれない。
っていうか、むしろ、スグルはそれを想定して写真を変えてって言ったのかもしれない…。
「ミチルの携帯だってナガレくんじゃないっ。」
ナガレくんから自分の携帯電話をひったくりながらそう言うと、ナガレくんは、
「あー…、いや。…なんでもねぇ。」
あたしに言い返すでもなく、いつものカウンター席に座ると、特製ジュースを口に含んだ。
…ナガレくんが変だ…!?
いつもなら、口角をあげて何か言葉を返してくるのに…!
『変』と言えば…。
昨日のスグルもどこか変だったことを思い出し、
「…ねぇ。スグル、最近かわったことない?」
あたしは小さな声でコソッとナガレくんに聞いた。
けど。
「なんかあってもオレにはわかんねぇ。スグルは顔に出さないから。」
ナガレくんの返事は、これだけで、
「仕事しろよ、メイドさん。」
ナガレくんがいつものように口角をあげて特製ジュースを飲ませようとするから、あたしはそれ以上何も言えず、自分の仕事にもどるしかなくなった。
スグルも、ナガレくんも、なんか変だ…。
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