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あたホス番外編〜キョウヤ〜【13ページ完結】
まだ見ぬ未来


目を覚ますと、あたしは裸のまま、ベッドの上で毛布に包まっていた。

隣には、長いまつげを伏せた、キョウヤのキレイな寝顔。




キョウヤの頬を、そっと手でなでると、
キョウヤの長いまつげがゆっくりと持ち上がって、真っ黒な瞳が、あたしをとらえる。

「…、起きたか。」


キョウヤの優しい声と笑顔に、あたしの顔がカーッと赤く染まった。



「かわいい反応すんなよ。もっかいしたくなるだろーが。」

キョウヤは口角をあげて笑うと、
あたしの毛布を剥ぎ取って、あたしの体をグイッと抱き寄せた。

あたしの体がキョウヤの腕の中におさまる。
キョウヤの温かさを感じて、すごくドキドキするのに、安心する。





「…あたしのこと、子供だと思ってる?」

「年齢的には、オレと5つ違うからな。」


キョウヤが苦笑する。


「あたしは…、キョウヤの1番になりたい。」

「うん。」

「キョウヤは、あたしの1番なの。」

「うん。」


キョウヤが、あたしの頭をなでながら、相槌をうつ。


「あたし、キョウヤが好き。」

「知ってる。」

「キョウヤがあたしのこと好きになるようにがんばる。だから、…」



先を続けようとするあたしの言葉は、そこでキョウヤの言葉に遮られた。









「好きだよ。」

「………え?」


……今、何て言った…?




咄嗟に理解できなくて、呆然としているあたし。

キョウヤがため息まじりに笑う。


「勝手に勘違いすんな。好きでもねぇ女、抱かねぇよ。」



…キョウヤも、あたしのこと好き…?
キョウヤが、あたしのこと…。




やっと言葉の意味を理解できたあたしは、うれしくて、思わず、キョウヤにギュッと抱き着いた。



「あたし、キョウヤの子供産みたい。」

「誘ってんのか、それは。」

クスッと笑うキョウヤ。


「それくらい好きって意味。」

「子供産まれたら、家がほしいな。でかい家。」

「子供部屋は2つね。男の子と女の子。」

「だな。…お前、タバコやめろよ?」

「キョウヤもね。」




あたしとキョウヤは、抱き合ったまま、外が明るくなるまで、まだ見ぬ未来の話をしていた。




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あきゅろす。
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