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あたホス番外編〜キョウヤ〜【13ページ完結】
部屋のカギ


それから、毎日、毎日、あたしは店へ通った。

ルリが行かない日も、一人で行った。
熱があっても、アイツに会いに行った。





アイツは、少し呆れたように、

「金の無駄遣いしてんじゃねぇよ。」

って、あたしのおでこにコツンと拳を当てた。


そんな柄じゃないのに、それだけであたしの胸はキュンとする。




「もう親の金で来んな。」


確かに、コイツの言う通り、あたしが使ってるのは親の金。
あたしが稼いだお金じゃない。

少しは親に悪いと思う気持ちもあったけど、悔しいくらいコイツに会いたくて。





「売りでもやって稼げって?」

イヤミっぽく笑ったあたしに、

「店開いてない時間でよければ、オレが相手してやる。」



1つのカギを手渡した。



「…何コレ?」

「オレの部屋のカギ。」

平然と言ってのけるコイツ。



「何個あんの、このカギ。」

「……ん?」

「何人の女に渡してんの?」



コイツがいつもこんなことしてんのかと思ったら、イライラしてきた。
他の女にもこんなことしてんのかと思ったら、無性に腹がたってきた。

あたしは、どうせ子供だし。
相手にされてないことくらいわかる。

もし、体の関係を持ったとしても、
それはたくさんの女の中の一人に過ぎなくて。
あたしだけ見てくれるわけじゃない。





あたしの、睨むような目線を気にもせず、コイツはフッと笑った。


「1つしかないから、それ渡したら、オレ帰れねぇんだよ。」

「はぁ!?…どうすんのよ?」

眉間にシワを寄せるあたしを見て、可笑しそうに笑ったコイツは、



「オレが終わるまで店で待ってろ。」

って、あたしの頭をクシャッとなでた。


また子供扱い。








なのに、あたしの心臓はドキドキいってる。



悔しいけど、コイツに何か言われる度、触れられる度。
あたしの心臓はキュンと痛くなった。




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