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サクヤとミズホ【38ページ完結】
ガマンの限界


朝、目が覚めると、目の前にはサクヤのキレイな寝顔があった。




サクヤってオレ様だけど、ホントに顔だけはいいよね…。




顔だけ見れば、サクヤがモテるのはすごくわかる。

問題は性格なんだけど、
その性格を昔から見てるあたしがサクヤに惚れてんのはなんでだろう…。







自分の気持ちに納得いかないながらも、普段は恥ずかしくてまじまじと見ることなんて出来ないサクヤの顔をじーっと眺めていたら、

あたしの視線に気付いたのか、サクヤの長いまつげが動いて、あたしとサクヤの目が合って。





「おはようのチュウは?」

サクヤがいつものように、口角をあげて意地悪くそんなことを言った。








…悔しい。







サクヤにとってはちょっとした冗談かもしれないけど、あたしにとっては心臓バクバク発言で。

いつも余裕たっぷりにあたしをからかうサクヤがなんだかムカついて。


サクヤを驚かせてやりたくて。




…サクヤはきっと、あたしが真っ赤になって逃げると思ってるから―…。










「ミズ…、」


いつもみたいに、イタズラな笑顔であたしの名前を呼ぼうとしたサクヤの言葉を遮って。








あたしは、サクヤにキスをした。









あたしの唇が触れた瞬間、サクヤは眠そうにしていた目を一気に見開く。




…ざまぁみろ。
いつも意地悪されてばっかりじゃないんだから。
あたしだってたまにはサクヤに勝ちたいんだから。










真っ赤な顔して心の中でほくそ笑んだあたしの耳に、



「…タダで済むと思うなよ…?」

やけに真剣なサクヤの声が聞こえた。




いつもと違う雰囲気に、サクヤに視線を向けると、





「ガマンの限界超えた。」






サクヤが言葉を発した直後、あたしはサクヤに何か言うヒマもなく抱き寄せられ、強引に唇を塞がれていた。



サクヤがこの間と同じようにあたしの中に舌を差し込んできて、あたしの舌に絡める。

「……っふ、ぁ…。」




何がなんだかわからないのに、サクヤの体温をすぐそばで感じて、あたしの鼓動はどんどん速くなって。

サクヤは何度も何度もキスを繰り返す。








しばらくの間、抵抗も出来ずにされるがままになっていたあたしの唇を開放したサクヤは、




「イヤなら本気で抵抗しろよ。」





あたしの首筋に舌を這わせた。


「…ンっ…。」

思わず声が漏れ、身体はサクヤが与える刺激にピクンと反応する。





「抵抗しねぇの?」



サクヤがそう囁きながらあたしの胸元から徐々に服を脱がし始め、

パジャマのボタンが外れて、胸元があらわになる。




あたしは、寝るときにブラなんてつけてないから、あたしの胸はサクヤの目の前に堂々と曝されていて…。



今回は、からかわれてるんじゃない。
サクヤは本気なんだってあたしは感じた。






抵抗するなら今。
サクヤは力で押さえつけてるわけじゃないから、逃げようと思えば逃げられる。










でも…、あたしは出来なかった。







あたしは、『サクヤにもっと触れていたい』と思ってしまってたから―…。





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あきゅろす。
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