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サクヤとミズホ【38ページ完結】
風邪薬



「…ミズホ…。」


ベッドで抱きしめられた状態で、いきなり名前を呼ばれて、あたしはドキッとして体を震わせた。




「…学校は?」

「あー!!」



6時間もサクヤにベッドの中で抱きしめられていたあたしは、
今日が平日なんてことをすっかり忘れていた。



…怒るに怒れないのは、きっとサクヤが病人だからだ。






「今から行く?」

「…こんな時間に行くくらいなら休む…。」


ため息混じりに言ったあたしを「湯たんぽ。」って言いながら抱きしめ直したサクヤは、



「風邪、治す方法知ってる?」

イタズラな笑顔であたしに聞いてきた。





この顔は…よからぬことをたくらんでいる顔!!!
下手なことを言ってはいけない…!!!







「あ、そうだ!おなか空かない!!?」

咄嗟に思い付いた言葉を口にして引き攣りながらも笑ってみせると、


「腹減った。」

サクヤがそう言うからホッとしたのもつかの間。







「メシ食えるように、風邪治して。」


言うが早いか、サクヤは顔を傾け、あたしの唇に自分の唇を押し当てた。



「……ンッ!?」


何やってんの!?
風邪治すのってこんな方法で!?


しかも…、






舌入れてくんなぁぁぁあ!!!







あたしの唇の隙間から差し込まれたサクヤの舌は、熱のせいかすごく熱くて。


「……っふぁ…。」


逃げようとしてもがっちり抱きしめられたあたしは逃げることも出来ず、サクヤの舌で掻き回される。

息苦しくて、何がなんだかわからなくなってサクヤにギュッとしがみつくと、




「ヤったら熱下がるかも。」

唇を離したサクヤがあたしの耳元で囁いた。





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あきゅろす。
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