サクヤとミズホ【38ページ完結】
ベッド
人の気も知らずに、あたしを抱きしめたまま目を閉じたサクヤの体はやはり熱い。
長いまつげを伏せ、茶色い猫っ毛があたしの頬をくすぐり。
あたしの鼓動は速くなる。
あたしは、ここからどうすればいいの?
サクヤに抱きしめられて身動き取れないからサクヤが起きるまでこの状態のまま?!
サクヤが起きる前にあたしの心臓が爆発しちゃう!!!
密着した体は近すぎて、サクヤの息遣いまで聞こえて。
あたしのドキドキはとまらない。
意識しないようにと思えば思うほど意識してしまう。
サクヤの腕をムリヤリ引き剥がそうとすれば出来たのかもしれない。
でも、そうしなかったのは。
やっぱりあたしがサクヤに惚れてるから。
ドキドキしすぎて息苦しくなっても、サクヤに触れていたいって気持ちがあったから。
…結局、あたしは、
心臓バクバクで、体がカチンコチンに固まった状態のまま…。
6時間、ベッドの中でサクヤに抱きしめられていたのだった。
[*前へ][次へ#]
[戻る]
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!