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サクヤとミズホ【38ページ完結】
病人


「サクヤ〜!朝!!」


いつものようにベッドで丸くなって眠るサクヤの体を揺さぶると。



「…ミズホ…、頭いてぇ…。」

サクヤが布団の中で呻いた。





「あたま〜…?」

とりあえず、こういうときは熱がないか調べるもんだろうと、サクヤのおでこに手を当ててみると。



「あつっ!!いつから熱あんの!?」

「…わかんねぇ。」


サクヤの顔は赤くて、熱くて。
かなり熱があるようだ。





「病院いく?」

「…病院キライ。」

「じゃあ寝てるしか…。」

「…寒い。」



サクヤの言葉に、


「エアコンいれるような季節じゃないけど…。」

ため息を一つつき、リモコンを探すためにベッドから離れようとしたあたしは、



「…いらね。」

サクヤに腕を掴まれる。



「寒いんでしょ?」

あたしが振り返って聞くと、



「エアコンより人肌の方が風邪にはいいと思わねぇ?」

「……ッ!?」


グイッとサクヤに引き寄せられた。




引き寄せられたあたしの体は、サクヤの腕の中にすっぽりと収まっていて。


「ミズホ、あったかい。」

ベッドの中でサクヤがあたしをギュッと抱きしめてそう囁いた。




「な…、な…、何してんの!?」


突然サクヤに抱きしめられて何がなんだかわからずにパニック状態のあたしに、


「湯たんぽ。」

サクヤは平然とそう答え、


「んじゃ、頭痛いからオレ寝るわ。」

と、あたしの体ごとベッドに寝転がった。



何してんの、これ!?
どうなってんの、これ!?
こ…これって…、添い寝!!?

もとい、あたしは抱き枕か!?






「ミズホ、暴れたら寝にくい。」

恥ずかしさでモジモジしていたあたしの体をさらにギュッと強く抱きしめ、サクヤは安心したように目を閉じる。



なんでそんな平気な顔で寝ようとしてんのよ!?

あたしなんて…、
あたしなんて…、



心臓バクバクなんですけどー!!!!





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あきゅろす。
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