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サクヤとミズホ【38ページ完結】
1番うまいんだよ


あたしはサクヤのことが好きで、サクヤになら抱かれたいって思ったけど、
サクヤはそうじゃない。

エッチしたって、サクヤはあたしのことを好きなわけじゃない。





…わかってははずだったのに。




現実を目の当たりにすると、胸がギュッと痛くなる…。









「プライバシー侵害っ。」

突然、背後からサクヤに手に持ったゴミ箱を奪いとられ。




「…見てない。見られんのがイヤなら自分でやればいいのに。」

あたしがちょっと睨んで言うと、


「オレ、家事出来ねぇし。」

サクヤが笑いを含んだ声で返す。






なんであたしはこんなヤツに惚れてんだろう。

いい加減で。
エロくて。
オレ様で。






「…なんでサクヤはあたしを部屋に泊めたの?」

「オレ、家事出来ねぇんだって。」


あたしの問いかけに、サクヤは平然とそう答えた。





ホント、あったま来るくらいオレ様なサクヤ。
質問の答えにすらなってないオレ様発言。





「他の女に頼めばいいじゃない。」

イラっとして、あたしの口調もキツくなる。



「なんで?」

「サクヤのためにやってくれる女なんていっぱいいるでしょ?」



あたしのキツくなった口調にも動じることなく、眉を上げてちょっと考えるような仕草を見せたサクヤは、



「ミズホの料理が一番うまいんだよ。」

いつものように、誰もが見惚れるような魅惑的な笑みを浮かべた。









…ずるいよ。




あたしは、『家政婦』で。
『身体だけの関係』。


ただの『都合のいい女』。




当たり前に、あたしが望んでるのはそんな関係じゃないのに…。






でも、サクヤにそう言われると断れなくなるのは、
やっぱりあたしがサクヤのことを好きだから。


そんな関係でもいいからサクヤの側に居たいって思ってしまうから…。





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