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サクヤとミズホ【38ページ完結】
ソワソワドキドキ


震えるあたしの耳に、再びサクヤの大きなため息が聞こえたかと思った瞬間、



「…おばけでも幽霊でもねぇよ。」

サクヤがボソッと呟いて。


「…へ?」

あたしは、安堵だか拍子抜けだか、変な声が出る。






「隣、毎日こんなだから気にしてたら眠れねぇぞ。」

「………はい?」


サクヤの言葉の意味がわかんないあたしが顔を上げると、オレ様なのにやっぱりかっこいいサクヤと目が合って。



こんなときなのに、あたしの心臓が一気にドキドキし始める。
意識しちゃうと余計に止まらない。

あたしは今、サクヤのベッドでサクヤに抱きしめられてるんだって考えると、鼓動はドンドン速くなって…。



うるさい心臓を鎮めようとしながら、じっとサクヤの顔を見つめてたら…。







「ミズホもあんな声出したい?」

サクヤが意地悪な笑みを浮かべてそう言うから、



「……ッ!!!?」


やっと『夜中の不審な声』の意味がわかったあたしはボッと一気に真っ赤に染まる。







でも、あたしがそうやって真っ赤になったことも、サクヤにとっては『いつもの冗談』に『いつもの反応』で。



「そのうち終わるから、気にせず寝ろ。」


そう言って、フッと笑ったサクヤは真っ赤なあたしを抱きしめたまま、ホントに何事もなかったかのようにまた寝始めた。







ちょ…、ちょっと…!!
一人で先に寝ないでよっ!!?







隣から聞こえる声がおばけや幽霊じゃないとわかってホッとしたあたしは、今度は別の意味であの声が気になって、妙にソワソワして。

サクヤの心地いい体温や心音を変に意識して、今まで以上にドキドキしてしまって。





サクヤの寝顔を見つめたまま、自分の心臓の音でなかなか眠ることが出来ないのだった。





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