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サクヤとミズホ【38ページ完結】
サクヤのSは。



「ミズホ。お前、料理うまくなったよなぁ。」


あたしの作ったお味噌汁を啜りながら、サクヤが感心したように言った。



「いい嫁さんになれる。」

「え?そ…、そう?」


サクヤに真面目にそんなことを言われると、ちょっと照れる。



「マジで。」

「明日の朝ごはん奮発しちゃおっかなー!」


こんなことでうれしくなるなんて単純だなぁと自分で思いながらも、
ウキウキしながらメニューを考え始めたあたしに。






「これで床上手なら言うことなしだな。」

「………ッッ!!!」


真っ赤になったあたしに、サクヤはイタズラな笑みを浮かべた。




「今から確かめてやろうか?」

「ケッコウデス!!!」


あたしの反応を見て、サクヤはクスクスと笑う。






こいつは…!
サクヤは、間違いなく『S』だ!

いや、『ドS』だ!!!





あたしはベーっと舌を出して、


「サクヤの『S』は『ドS』のSだもんね!!」

イヤミたっぷりに言ってやった。




が。




「じゃあミズホの『M』は『ドM』のMかぁ〜。」

「……ッ!!!」







あたしは、いつもサクヤには勝てない。



このサクヤという男、顔はいいしモテるんだけど、
エロくて、意地悪で、あたしのことをからかって遊ぶ。

からかわれたあたしは、毎日「もう起こしにきてやんない!」とか「もうごはんなんて作ってやんない!」って思う。





でも。
それでも、あたしは逆らえない。

口では文句も言うけれど、最終的には断れない。



あたしがサクヤに逆らえない理由は…、








あたしがサクヤに惚れているから―…。




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あきゅろす。
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