サクヤとミズホ【38ページ完結】
5日ぶり
日曜日。
5日ぶりのサクヤの部屋。
あたしが料理をしてる間、テレビを見ていたはずのサクヤがキッチンに来る。
「メシまだ?」
「さっき作り始めたばかりなんだけど…。」
あたしは人参の袋を開けながら、5日ぶりのサクヤとの会話に思わず口元が緩んでしまう。
…やっぱりあたしは、サクヤ菌に侵されてるに違いない。
そんなにおなかが空いてるのなら早目に火が通るようにと、いつもより小さめに材料を切っていくあたしに再び近付いてきたサクヤは。
「…ちょっ…何してっ…!」
「ミズホ食いにきた。」
「危ないからやめっ……ンッ…。」
あたしを抱きしめて、あたしの耳を甘噛みし、
包丁を落としそうになったあたしは、慌ててそれをまな板の上に置く。
「五日も我慢させられたし。」
「……ン、やぁあっ…。」
サクヤは、あたしの首筋を舌でなぞり、声が漏れるあたしの唇に自分の唇を押し当てて軽くキスして。
「ベッドか、ここか。どっちでヤるか選べ。」
妖艶な笑みを浮かべてあたしに問い掛けた。
「………選べ、って…。」
急にそんなこと言われてもあたしはまだ心の準備が出来てない。
5日ぶりだからか、サクヤに触られるのも見られるのも、いつもよりもっと恥ずかしくて。
心臓はドクンドクンと大きな音をたてていて。
顔が熱くてサクヤの顔なんてまともに見れない。
でも、そんなこと全くお構いなしのオレ様サクヤは、
「ここでヤんの?」
「……っ!!」
楽しそうに口角を上げてあたしの顔を覗き込む。
…ここでって…、
ただでさえ恥ずかしいのに、こんなとこでなんて出来るわけないじゃない…!
するなら体が隠れる布団の中で…!
と、真っ赤な顔を上げて、あたしが口を開こうとした瞬間…。
ピンポーン。
玄関のチャイムが鳴り響いて、来客を教えた。
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