サクヤとミズホ【38ページ完結】
証拠
「痛かった?」
「…ん、ちょっとだけ。」
ホントはものすごく痛かったけど、相手がサクヤだからか、そんなこと忘れちゃうくらいドキドキしていた。
サクヤは意地悪言いながらも優しくて、終わった後もあたしをベッドの中で抱きしめてくれた。
このままサクヤに抱きしめててもらいたかったけど…、
「朝メシ食う時間ねぇな。」
時計をみたサクヤがため息交じりに笑う。
学校に行かなきゃいけない時間が近付いてる。
もうこうしてサクヤの腕の中では、いられない。
「うん…。」
サクヤの腕の中からゆっくりと抜け出して、脱ぎ散らかした服に手を伸ばしたあたしを、後ろからサクヤがギュッと抱きしめて。
「明日もヤる。」
耳元で囁くから、あたしは拒否なんて出来ずに、小さく頷いた。
「朝メシ食えねぇから明日は早めに起こして。」
「うん。」
急いで制服を着て、サクヤが洗面所に立ってる間に時間内で出来る家事を考える。
今日はゴミの日。
時間的に考えて、ゴミを出すくらいの時間しかない。
「さて…、」
ゴミ袋を持ってきて、何気なくゴミ箱を覗いたあたしは。
一瞬、体が強張った。
…ゴミ箱の中なんて見るもんじゃない。
なんで見ちゃうんだろう。
バカだなぁ、あたし…。
ゴミ箱の中には。
サクヤが女を連れ込んだ証拠―…。
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