あたホス短編集
道中
メイド服から着替えてきたミチルを連れて、喫茶レトロから歩いて5分のオレの部屋に向かうことにした。
部屋に着くまで、ミチルは俯いたままで。
いつものように指を絡めても、今日は無反応。
「…ごめんな、ミチル…。」
オレの言葉にもミチルは俯いたまま反応しない。
オレのだらしない過去に怒ってる?
未だに誘ってくる女がいるケジメのつけられないオレに怒ってる?
それとも…オレに呆れた…?
オレが今一番こわいことは、『ミチルに嫌われること』。
他の女なんかどうでもいい。
ミチルだけがオレを見てくれればそれでいい。
すげぇミチルが好きで。
すげぇミチルを大事にしたい。
けど…、
『彼女』なんていたことのないオレには、『大事にする』ってどうすればいいのかがわからない。
ミチルになにかしてやりたいって気持ちはあるのに、具体的に何をすればいいのかわからない。
ミチルが何をしてほしいのかなんて全くわからない。
オレはただ、ミチルに笑っていてほしいだけなのに、それすらも出来なくて。
こんな自分に嫌気が差す…。
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