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あたし限定ホストクラブ1【85ページ完結】
これはヤバイ


今日、あたしは化粧道具一式買った。

…というか買ってもらった。






スグルとデパートに行ったとき、スグルが

「じゃあ、これ一式ください。」

ってメーカーのお姉さんに言った。



下地やらファンデーションやらマスカラやら口紅やら。
ついさっき顔に塗ってもらったのと同じのを一式。


メーカーのお姉さんさんがレジをうっていく。
そして、一式揃えた金額はかなりのものに…!





鞄からママにもらった封筒を出そうとしたら

「ナツコさんにお金もらってるから。」

って囁くような声であたしに言って、スグルがレジでお金を払ってくれた。





同じママのお金でも、自分で出すのとスグルに出してもらうのでは気分的に全然違う。
相手に払ってもらった気になる!

次からもそうしてもらおうと思って、あたしが持ってた封筒をスグルに渡そうとしたら、
『それはアカリのだよ。』ってやんわり断られた。







ミチルとの電話を切ったあと、化粧品と一緒に買ってもらったクレンジングオイルで、
今日メーカーのお姉さんにしてもらった上手なお化粧を惜しみながら落とした。



化粧道具だけあっても、自分で出来なきゃ意味がない。
練習してみなくては…!!!




あたしは、メーカーのお姉さんにやってもらったのと同じように、顔に色を乗せていった。








がんばること1時間半。





「………。」

鏡を見たあたしは唖然とした。



なんだこれは。
なんていう生物だ?!
これはヤバイだろう!!!?



みごとに失敗したお化粧を洗い流すために洗面所に向かう。






洗面所までの道中、仕事から帰ってきたばかりのママとばったり会った。




「………。」

「………。」


お互い見つめ合って無言。


気まずい。
かなり気まずい。








突然、その均衡を破ってママが吹き出した。


「ギャハハハハ!プロレスラーみたい!!!」


なるほど!!
プロレスラーか!!
なかなかうまいことを言う!!!


心の中でちょっと感心したけど、あたしはしっかり傷ついた。





ふて腐れたあたしが無言で洗面所に向かおうとすると、後ろからママの声が聞こえた。




「アカリ、かわいい髪型になってんじゃん。」

今頃かよ?!
髪型だけかよ!?



…とか思ったけど、
髪を切ってからママとまともに顔を合わせることがなかったから、今頃なのは仕方がないことだし、
ママに言われたことがあたしは普通にうれしかったらしく、自然と口元が緩んだから、
「ありがと。」って言って、あたしは洗面所に向かった。




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