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あたし限定ホストクラブ1【85ページ完結】
ミチルとの電話


夕方にスグルと別れて家に帰ってきたあたしは、ミチルに電話した。



「もしもし。ミチル?」

コール3回でミチルに繋がる。


『アカリ!あれ彼氏!?付き合ってんの?!』

なんだかすごい興奮気味のミチル。



「期間限定彼氏なんだけどねっ。」

『…どういうこと??』

軽目にサラっと言ったつもりのあたしの言葉に、ミチルはキョトンとした返事。





あたしは、ゆっくりとミチルに話始めた。


母にホストクラブに連れて行かれたこと。
そこでスグルに会ったこと。
母がスグルにあたしを『かわいくしてやってくれ』と頼んだこと。
スグルがあたしをかわいくするために取った手段が『期間限定恋人』だということ。
スグルのイトコのシズさんに髪を切ってもらったこと。



ミチルは終始、驚きっぱなしで聞いてくれた。


そりゃそうだ。
まず、ママの最初の『ホストクラブ行っといでよ』発言からおかしい。

娘が行きたいと言ったわけでもないのに、
親自ら、年頃の娘をホストクラブに連れて行く家庭がこの世に何軒あるだろうか。





『…そんなことがあったんだ〜!』

ミチルが感心したように言う。



『2週間で男の子に慣れそう?』

「いや…ムリでしょ…。」

あたしが苦笑すると、ミチルも『そうだよね。』って笑う。



『でも、2週間でもあんなかっこいい彼氏がいたらみんなうらやましがるよ〜。』

「そ…そうかなぁ?」


…なんて言いながらも、実はあたしもちょっと思ってる。

だって…やっぱりスグルはかっこいい。
優しくて、笑顔はかわいくて。
これが仕事じゃなくて、ホントの彼氏だったらなぁ、なんて思ってしまってるくらいに、
あたしはずっと『期間限定カレシ』のことを考えている。








『アカリ、服買いに行くって言ってたけど、もう買った?』

ふいに、ミチルがそんなことを聞いてきた。



「ううん〜。服わかんないし、ミチルと買いに行きたくて。」




『じゃあ、放課後は彼氏くんと一緒だから…今度時間ずらして買いに行こうよ。』


ミチルがそう言ってくれたのがすごくうれしくて、

「行く!行く行く行くっ!」


電話なのに頭をブンブン振りまわしすぎて…、ちょっと酔ってしまった。




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