あたし限定ホストクラブ1【85ページ完結】
ネイルは嫌い?
「やっぱり、ネイルはイヤなの?」
そう聞いたあたしに、スグルはストローをもてあそびながら。
「イヤってわけじゃないけど…、俺はシンプルな方が好きかな。」
申し訳なさそうに笑った。
「いろいろついてると、」
ストローを放したスグルは、いとも簡単にあたしの手を取って、自分の手の平を合わせると、
自分の指の間にあたしの指をいれてキュッと握る。
「手つなぎにくいから。」
スグルの優しい笑顔があたしに向けられて。
あたしの心臓は、大きく跳ね上がった。
手をつなぐ?!
手…手をつなぐ!?
あたし今、スグルと手つないでる?!
スグルの体温があたしの手に伝わる。
あたしの心臓は、それだけでバクバクと大きな音をたてて激しく動き回った。
「何もつけないシンプルなやつなら手つなぎやすいけど、シズにしてもら……、アカリ…?」
スグルが心配そうにあたしの顔を覗き込む。
顔が真っ赤になったあたしの頭からは、きっとプスプスと煙が出ていたに違いない。
その後もずっとあたしはスグルと手がつながった状態で。
スグルの温もりを感じてボーっとしたまま、シズさんのお店に連れていかれ、
シズさんに薄いピンクのマニキュアを塗ってもらった。
シズさんに今日ここに来たいきさつを話すと、
「アカリちゃんすごい!スグル、『ポーカーフェイスのユウちゃん』って呼ばれてんのにねっ!」
って大爆笑していた。
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