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あたし限定ホストクラブ1【85ページ完結】
ウザい女?いい女?


…『うれしい』?

今、『うれしい』って言ったの?




スグルのその笑顔が『営業スマイル』だとわかっていても、つい見とれてしまう。






「…ウザくない?」

あたしがボソッと呟くと、


「え?」

スグルはキョトンとあたしを見た。



「…女は遅れて来る方がいいんじゃないの?」

「?」

「…先にきて待ってる女はウザくない?」

「…アカリ…、さっきのヤツになんか言われた…?」


眉を寄せたスグルにあたしは首を横に振ってみせる。




すると、それを見て安心したようにスグルは小さなため息を付いて、


「ウザいなんて思わないよ。」

と優しい笑顔を見せてくれた。





「準備に時間かかって遅れてくるのがいい女じゃないの…?」

あたしがまだ納得出来ずに聞くと、スグルは一瞬目を丸くしてクスクスと笑い出し、



「むしろ時間通りに来ない方が人に迷惑かけるからダメじゃない?」

「…あ。うん、確かに…。」

あたしは、スグルのその言葉であっさり納得させられてしまった。




人を待たせて迷惑かけるのは女というか、人としてダメだもんね…。
考えてみれば当たり前の話だった。


なんであんなことを考えていたのかと、可笑しくなって思わず笑ってしまうくらい。





「それに…。」

「…それに……?」


「俺は、アカリが俺に会いたいって待っててくれたことがうれしかった。」

「………ホント…!?」

「ん。ホント。」


スグルがあたしの頭をくしゃっとなでる。



もちろんそんなことされたらあたしの顔は一気に真っ赤になってしまって。
スグルはこれが『仕事』なんだってわかってるのに、うれしくなってしまう。
心臓だって跳び上がってしまう。


ホストにハマる子の気持ち、わかるかもしれない…。






あたしの顔をみてフッと笑ったスグルは目線をあたしから人込みへと移し、


「明日から駅で待ち合わせやめよ…。心配すぎる…。」

と、小さなため息をついた。




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あきゅろす。
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