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あたし限定ホストクラブ1【85ページ完結】
初の試み

朝から心待ちにしていたスグルからの連絡は、放課後になっても来なかった…。






でも、あたしはスグルがいない間に、昨日芽生えた『努力』って気持ちを何とか形にしたかった。




「ねぇ、ミチル…ファッション誌ってどんなのがいいのかな…?」

「………ファッション誌?!アカリが!!?」


親友のミチルが元から大きな目をこれでもかってくらい見開く。



それもそのはず。

ミチルは、あたしがマンガしか買ったことがないのを知ってる。
ファッション誌なんて全くみたこともないような人種なのを知ってる。


一方、ミチルはあたしと違ってオシャレ。
派手な外見じゃなくて『かわいい』感じ。





「髪型かわったと思ったら次はファッション誌って…。アカリ、なんかあったの…?」


ミチルがすごい不思議そうな顔をして、あたしの顔をまじまじと見つめる。

…いや、不思議っていうより不審な顔かもしれない。



「ん〜…ちょっと変わってみたいなーって…。」


目を泳がせて、ものすごくあいまいで怪しいことこの上ない答えを返したにも関わらず、
ミチルは「そっか」ってちょっと笑って。


「今から一緒に見に行く?」

って言ってくれた。



もちろん、さっきの答えで納得したわけじゃないと思う。

…あたしが話す気になるまで待ってくれるつもりなんだ。







「これとかアカリに似合うかも。」

ミチルが選んでくれたのは、決して派手ではないかわいい系の雑誌。


「ありがと、ミチル。がんばってみるね!」



ミチルは、あたしの急激な変化に戸惑ったようだったけど、笑顔で「がんばれっ」って言ってくれた。





あたしが話さなくても無理矢理聞こうとはせず、優しく見守ってくれてるミチル。


ミチルの優しさにちょっと後ろめたい気持ちになる。

けど、今はまだ『マンガに夢中だったあたしがホストの期間限定カノジョやってます!』
…なんて言いにくくて…。





もう少し、自分の気持ちの整理がついたらミチルに話すから。
ごめんね、ミチル。



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あきゅろす。
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