あたし限定ホストクラブ1【85ページ完結】
帰宅
スグルと話す楽しい時間はあっという間に過ぎ、
車はあたしの家の近くで停まってしまう。
スグルが助手席のドアを開けてくれて。
「おやすみ、アカリ。」
あたしが降りると、そう言って微笑み運転席に乗り込む。
スグルが運転する車があたしの前から遠ざかって、だんだん小さくなって。
あたしは車のテールランプが見えなくなるまで見送った。
また明日…スグルに会える?
2週間は『恋人』だから会えるよね?
あたしは、今さっき離れたばかりのスグルに早く会いたくて。
明日のことを考えながら家へと歩いた。
家に帰るとやっぱりママは帰っていなかった。
普段はちゃんとやることやってしっかりしたママなんだけど、
たまーにこういうことがある。
でも、17歳からずっと子育てがんばってきたんだから、
息抜きもたまには必要なんだとあたしは思ってる。
あたしが物心付く前にパパが死んでから、
一人でここまで育ててくれたママにはホントに感謝してるから。
スグルに会わせてくれたことも感謝してる。
シズさんにも会えて髪型を変えてもらって。
あたしは、『努力』して自分を変えたいって初めて思った。
ありがとう、ママ。
あたし、がんばってみるね。
夜には帰ってなかったママは、
朝になってあたしが学校に行こうとしてたら玄関で寝てた。
……気付かずに思いっきり踏んだのはナイショにしておこう…。
あたしは、スグルからの連絡を楽しみに軽い足取りで学校に向かった。
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