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あたし限定ホストクラブ1【85ページ完結】
新しい気持ち


「さぁ、出来たっ!」


話をしている間に、あたしの髪は短くなっていたらしい。




「どう?」

シズさんが後ろにも鏡を持ってきてくれて、いろんな角度からのあたしが見える。





「…すごい…全然違う…。」

いつもは重苦しくて暗い印象のあたしの髪が、軽くさっぱりして見えて。
髪型だけでこんなに見た目って変わるんだと感心したと同時に、今まで見た目に無頓着で何の努力もしてこなかったことを深く反省した。





「アカリちゃんは髪の量多くて重く見えるんだよね。
だから短く軽目にしてみましたっ!」



印象がかわった髪型に見とれているあたしの横でスグルが楽しそうに笑う。

「シズ、腕はいいんだよ。」

「他のところもいっぱい誉めろっ。」



あたしは、笑い合う二人の横で鏡の中の自分を見ながら、
さっきふっとんでしまった『ママの笑顔にもらった勇気』より大きな『シズさんのハサミにもらった勇気』を感じた。





こんなあたしでも変われるかもしれない。
今までしなかった『努力』をしてみよう。


あたしは、産まれて初めて自分から『変わりたい』って思った。







「アカリ、顔が小さいからこの髪型よく似合うね。」

スグルが優しい笑顔で誉めながらあたしの頭をなでてくれて。



…生まれてこのかた、一度も男の子にそんなことをされたことのないあたしは耳まで真っ赤になる。





男の子の手って…大きくてあったかい。
そして、恥ずかしいのになんだか幸せな気分になる。



初めての感覚だった。




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