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あたし限定ホストクラブ1【85ページ完結】
実母の提案

「アカリ、お金あげるからホストクラブ行っておいでよ。」


実の母親からの突然の提案に、あたしは目が点になった。



「いま…なんて?」

「お金あげるからホストクラブ行っといでって言ったんだよー。」

「……はい?!」


あたしの耳がおかしくなったのか?
ママの頭がおかしくなったのか?!



17歳であたしを産んだママは若くてキレイで、
一緒にカラオケや買い物にいくし、親というよりは友達に近い感覚。

お酒にはちょっとだらしないけど、
母子家庭でしっかりあたしを育ててくれたかっこいい自慢の母親。





それがなんでいきないそんなことを言い出したのか…!?







「アカリ、彼氏いないでしょ?」


ママはまた突然に、あたしが予想出来ない言葉を発する。


「……いない……けど…。」

「今まで一度もいたことないでしょ?」

「………………ない…けど…。」


否定できないあたしは、どんどん小声になっていく。




すると、ママはスッと何かを差し出して、


「アカリが引きこもってマンガばっか読んでないか心配で…。」

大袈裟に嘆くフリをした。





あたしの目の前に差し出された物。


それは、



あたしが一日一回は読む恋愛マンガ。

毎日繰り返し読むから端がちょっと擦り切れている恋愛マンガだった。





「ちょ…どこから取ってきたの?!」

「いや、アカリの部屋だけど。」



カーッと顔が赤くなって、慌ててママの手から大事なマンガをひったくる。





けど、ママは悪びれる様子もなく再び、




「でさ、お金あげるからホストクラブ行っといでよ。」

シレッと言い放った。




なんで?!
なんでそうなんの!?

確かにあたしの恋愛妄想は自分でもヤバいと思うけど、

だからってなんでサラッと
『お金あげるからオヤツ買っておいで』みたいな軽い言い方なの!?





「アカリ、そのままいくと男に騙されまくるか、二次元まっしぐらだよ。」


ゔ…。
想像できる自分がこわい…!!





「で…でも、いきなりホストクラブなんて…、」


どんなとこかもわかんないし。
行って何すればいいかわかんないし。
すごいお金とられるイメージだし。

男に騙されて一生トラウマになるかもしんないじゃない!



と、ママの提案に乗る気にはなれずにいると、


「別にホストって危ないとこじゃないし、目の保養してきな。」


ママにポンッと封筒を手渡された。




「…なにこれ?」

「お金よ、お金。」

「……!?」



なんかすっごい分厚いんですケドー!!!
こんなお金あるならあたしのお小遣い上げてほしいんですケドー!!!









…………とは、ママがこわくて言えなかった。






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