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「バカサスケ!」


「言ってろウスラトンカチ」

冷たくあしらうサスケに、歯を食いしばりながらナルトは睨みつける。そんな二人をサクラはハラハラしながら、オレは呆れながら見守っていた。そのうち、痺れを切らしたナルトがフンッ!とそっぽを向くと「オレ、帰るってばよ!」と言い残し去っていった。

惹かれあっているのは確かだった。おそらく、それが恋慕であることは傍目から見てすぐに分かったし、またそれだけじゃなくて、男として、ライバルとしてそれ認めるわけにいかないって言うのもよく分かる。

ただ、今ここで厄介なのはそこではない。最近になって、一方がこの現状を楽しみ出したことにあるのだ。恐らく、本人は自覚していない。だからこそ、余計ややこしいのだけれども。

(さぁて、どうするかな…)

オレは頭を掻きながら、愛読書を閉じた。





解散後、人気のない演習場で修業をする厄介な方のソイツを捕まえた。急に背後から現れたオレを快く思わない彼は背を向けたまま、不機嫌さを隠しもせずオレに話しかける。



「なんか用かよ、カカシ」


「最近、やけにナルトに冷たく当たってるじゃないの」


「……それが、なんだって言うんだよ」


「いやね、好きなのは分かるけどさ〜」


「誰が好きだなんて言った……ッ!」



声を上げ、拳を痛いくらい強く握るサスケ。核心を突かれ、弱さを怒りで隠す姿はまだまだ子どもらしいが、サスケはなんでもひとりで抱え込んで解決しようとする癖があるからな。賢い分余計なことまで考えて、偏った考えに至ってしまうこともあるのだろう。



「そうやって本心を隠し、怒り、相手を逆撫でる……」


「……」


「確かに、気を引くのには有効な手段だがな、サスケ。いつまでもそうしてると、いつか本当に嫌われるぞ?」



息を詰め、地面を見つめるサスケは今何を考えているのだろう。



「本当に好きなら、何が最善か本気で考えてみろ」



オマエなら分かるはずだ。そう言い残し、オレは立ち去った。



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あきゅろす。
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