ナルトとサスケ2
オレにはサスケが何を言ってるんだかさっぱりわからなかった。サスケが瞳の向こう側に何を見、何を思い、何を考えているのか皆目検討もつかなかった。
「確かめたかったんだ。」
サスケは言った。
「オマエにキスしたらどんな感情が生まれるか。」
真剣な眼差しで見つめられたオレは思わず目を細めた。
それが、訝しさからくるものなのか恥ずかしさからくるものなのかはわからなかったけれど、まぶたが少し下りたという感覚だけは感じられた。
「で、どうだったんだよ。」
オレはサスケに尋ねる。
「それはさっき言った通りだ。」
「よくわかんねー。」
「オマエはどうだったんだよ。」
「え?」
予想外の質問だった。オレはサスケがどういう意図であの行為をしたのか聞きたかっただけだから、どう答えていいのかわからなかった。
「だから、よくわからないっていったろ。」
「わからないって……。」
「わからないものはわからないんだってばよ。なんか胸のあたりがもやもやして、そのこと考えると頭ん中ぐるぐるしてきて、わけわかんなくなるってばよ。」
思ったままを言ってもサスケはなかなか納得しないみたいで、顔をしかめたまま不信そうにオレを見つめる。
そうして少し考える仕草をすると、もう一度オレを見て、言った。
「さっきからオマエ、わからないわからないって、わかろうとする気がないのか。」
ドキリと、してしまった。それは、サスケの顔立ちがスゴく整ってるからではなくて、ズバリその通り、的を射られたような感覚に陥ったからである。
そんなこと、自分でも気づけなかった。だから、生まれた感情に思わず反発して「そんなことないってばよ!」と勢いよく言ったはいいが、全くあとが続かない。口をパクパクされていると、サスケにほらみろと言ったような顔をされて、なんだか悔しかった。
「オレは……オレもサスケとは友達だと思ってたってばよ。」
何を言っていいかはわからなかった。けれど、黙っているよりはマシだったので、言葉が勝手に口からでてくるのを待った。
サスケはそんなオレをまたじっと見つめていた。
「でも、サスケにキスされてわかんなくなった。」
オレは、結局わからないと言ったが、サスケはさっきより真剣に聞いてくれていた気がする。
「正直嫌じゃなかったし。嫌じゃないどころか、むしろ、嬉しいとも思ったし。その…キスするって言うのは少なからず好きって感情があるからだろ。だから、その、……こういう関係もありなのかなって。」
「こういう関係ってなんだよ。」
サスケは眉を潜めてオレの発する言葉に警戒する。
「だから…その……つまりだな。えっと。」
「いいから早くしろ。」
急かすサスケにオレは意を決して口を開く。
「恋び…」
「待て、ちょっと黙れ。」
しかし、サスケはそれを遮った。
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