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「ただいま。」

大丈夫、大丈夫。

「ナルト、いるのか?」

きっとわからない。

「ナルト……?」



大丈夫。



「う、わ……ッ!」

「ナルト」と呼ばれたかと思うと後ろから抱き締められ驚いてしまった。

「いるなら返事しろよ。」

「わりぃ。台所に必死で気づかなかったってばよ。」

サスケは肩口に顔を埋めるとおかえりのチューを求めた。振り替えって唇を重ねると、サスケから香る香水の匂いにオレの胸がドキリと跳ねた。

そのまま服をはだけさせようとするサスケに「これからご飯だってばよ」と言うと「オレはナルトが食べたい」と真面目な顔するので「わかったわかった」と軽くいなした。

「もうすぐできるから、先風呂入ってろってばよ。」

オレが笑うとサスケは渋々といったようにオレから離れ、名残惜しそうに脱衣場へ向かった。

よかった。

今日もなんともない。

オレはサイと抱き合う度に毎回これを繰り返す。ちょっとドキドキするが、仕方ないことだ。

けれども、今日は昼のやり取りのせいかサイのことを意識しすぎてしまっていた。サスケが帰って来たのにさえ気づけなかったのがいい証拠だ。さすがにこれは気をつけようと思った。







「ナルト。」

ご飯も片づけも風呂も終わって、先に寝室で待っていたサスケはオレをベッドへと呼ぶ。サスケとは必ず、この部屋でやると決まっている。それ以外ではやらない。やりたくないとオレが訴えるからだ。

オレはサスケの胸へと飛び込むと人の温かさを実感する。それから口づけを交わし、気づいたら身に纏うものは何もなくなっている。そしてお互いにいいところを触り合って、ベッドに深く沈む。

近づけば近づくほど洗い落としたはずのあの匂いが鼻について仕方ない。

「サスケェ……。」

気を紛らわすように名前を呼ぶと、サスケは少し笑って後ろへと手を伸ばす。

いよいよだ。

胸の高鳴りが一層強くなったその時だった。

「い……ッ。」

「……?」

サスケがそこへ少し触れただけで身体に電撃が走ったような痛みを感じた。快感からではない。擦過傷を塩水で洗ったような、痺れを伴う痛みだった。

異変を感じたサスケも「大丈夫か」と声をかけてはくれたが、オレが痛がるのを黙って見ているようなヤツじゃないのは知っていた。

仮にも彼は医者である。

「ちょっと見るな。」

専門ではないにしろ基本的な知識は頭に叩き込まれているだろうその脳は、オレのソコを目視した瞬間眉を潜めさせた。

「オマエ、これどうした……。」

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あきゅろす。
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