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「あぁん……ッ!!」

サスケはいつも最高だった。オレの身体はサスケに支配されたみたいに満たされて、サスケのことしか考えられなくなる。一番近くでサスケを感じて、一番奥でサスケを受け止める。

オレもサスケも充足感で満ち溢れる。

そんな瞬間。



「サスケ…一番愛してる。」



果てた後オレは必ずそう言い、サスケは「あぁ」と頷いて優しいキスを唇に落とす。

いつものお決まりパターンだった。







「いってらっしゃい。」

仕事へ出かけるサスケを見送ると、オレは家の掃除に取りかかる。

洗うものを洗濯機にブチ込んで、ベランダに布団を干す。それから掃除機をかけて、終わったら今度は洗濯物を干す。

一息ついたところでもう昼になっているので、高らかに鳴り響くウキウキウォッチングを聞きながら昼飯だ。ごきげんようとさよならすれば、オレは太陽の香りを含ませた布団を意気揚々と取り込む。

そうすると、だいたいこのタイミングでインターホンがオレを呼ぶ。ドキドキともワクワクとも言えない感情がオレの中を渦巻き、家の扉を開けさせる。

『こんにちは。』

柵の外でにこやかに微笑む人物はやっぱりその人であった。







「いらっしゃいってばよ。」

「いつもご贔屓に。」

そう言って家の敷居を跨いだのはセールスマンの男だった。スラリとした体に黒のスーツが良く似合っていて、作り笑いをするのが上手なイケメンだった。

近所でも評判で、『ボクなら……』と覚えたての感情をあどけなく使うフリには誰もが騙される。前に一度「騙すのやめたら」って言ってみたら「人聞きの悪い。セールス技術さ。」と言っていつものように笑った。

コイツの本心は全く読めない。顔は笑っていても、心は笑っていないのだから。オレにはそれがわかる。

けれど。

「本日はどの商品にいたします?」

部屋へ案内するとスーツケースを開かずに彼は尋ねる。

わかっているくせに。

「そんなのあとでいいってばよ。」

「承りました。」

けれど、そんな笑顔に惹き付けられてしまうのだ。

きっちり止められたネクタイをほどいてやると「いけない子だなぁ」と言って彼はソファに押し倒された。

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