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サスケとナルト2
「今日の昼休憩、ちょっといい?」

珍しく練習に遅刻してきたナルトは、部長に謝罪を入れるとスレ違いざまにそう言ってきた。

いつかそうなるだろうなと思っていたオレは特段断る理由もなくて、

「分かった。」

と頷き練習コートへ入った。



「分かんねぇってばよ。」

「はぁ。」

おにぎりと飲み物だけ携えたオレたちは木陰のあるグラウンドのベンチに腰かけた。

内容はもちろんあの時のことで。自分が蒔いた種なのだから当然と言えば当然のことなのだけれども、なんの脈絡もなしに紡がれた言葉にオレはナルトを見ることしかできない。

じっと見つめていると、ナルトはまた改めて言い直した。

「オレはアレがなんだったのかいまいちよくわかんねぇんだってばよ。」

「……。」

言われてみればそうか。オレは何も言わず、ナルトに目をつぶらせてその頬の一部に触れただけなのだから。

オレはオレが抱く兄さんへの感情が一体何ものなのかを確かめたかっただけだ。だから、ナルトにキスをした理由を言えと言われたらなんの戸惑いもなく答えられるはずだった。

だがしかし、ナルトに触れた唇は得も知れぬ感情を生み出し、戸惑わせ、何の対処もできないまま、こうして砂まみれのベンチに座っているのだ。

オレがナルトをどう思っているか?そんなの親友で好敵で最も親しい友だ。

そうじゃないのかよ。

そうだと思っていた。

なのに、なんだ、この気持ちは。

「オレは、サスケとはなんていうかさ、その……な。」

「親友。」

「そう、親友だと!……え。」

代弁するかの如くナルトの言葉を繋げば、言葉を失うナルト。

「オマエはオレにとって、最も親しい友だと思っていた。」

「……。」

「だから、キスをしてもなんとも思わないと思っていた。」

「……なんだよそれ。」

意味わかんねー。とこぼすナルトにオレだってわかんねぇよと言うしかなかった。

そう言うしかなかった。

それが真実だから。

何とも思わないはずだった。

でも違った。

違ったんだ。

「でも、少なくともそれは違ったみたいだ。」

オレがしゃんと背を伸ばすと、ナルトも姿勢を正した。

友達だからこういう感情が生まれたのか、はたまたこういう感情が友達同士だと生まれるのかは知らない。

けれども、オレとナルトとの間には特別な何かがあるのではないかと言うことは確かだった。

「オマエは感じたか?」

運命に定められたものたちの姿を。

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あきゅろす。
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