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退院後、下※
その日帰ったオレは、どうしようもなく情けなくて、自分で自分を慰めた。

こんなに泣きたい夜は久しぶりだった。

次の日からオレはナルトとの関係を持つのを止めた。

誘うことはもちろん、誘われても行くことはしなかった。





「なんで最近してくんねぇの?」

理由もなく断り続けるオレに、いい加減痺れを切らしたナルトは任務帰りのオレを捕まえると責めるように尋ねた。

「別に…理由なんてねぇよ。」

ただしたくないだけ。

本心だった。オレじゃなくてもナルトには別のヤツがいるからいいと思った。だから、そう言うとオレはナルトの腕をほどいた。

「オレ、何か悪いことした?嫌なところがあったら治すからさ、なんでも言えってばよ。」

媚びるようにまとわりついてくるナルトを無視して、オレは歩き続ける。

「サスケはオレが嫌いになったの?サスケはもうオレなんてどうでもいいと思ってるの?」

サスケは、そうやって話かけてくるナルトにオレは少なからず苛立ちを感じていた。

それはオマエの方じゃなかったのか。

オマエはオレじゃあ満足できないから他のヤツと関係を持つのだろう?オレのことなんてどうでもいいと思っているから誰とでもやるんだろう?

オレなんか、殺す価値すらない持っていない、愚かな人間なのだから。

「最初からオマエなんかに興味はない。」

あるのは復讐だけってヤツだ。

忘れかけていた。本来の目的を。じゃあなと言ってナルトを突き放すと、オレは半ば清々しい気持ちで帰路に着いた。





次の日は遠方での依頼のため泊まり掛けの任務だった。1日ではたどり着けないため、カカシは頃合いを見て宿を取り部屋を割り振った。

案の定ナルトと同室になったオレはなんとも言えない気持ちでその日の夕飯を口にした。

夜、久しぶりに嫌な夢を見たオレは起きたら汗だくになっていて、濡れたパジャマが冷たかった。

任務初日だっていうのにオレはため息をついた。

隣で寝こけているナルトを横目に、最近してなかったから尚更嫌な気持ちがした。

パンツだけは洗ってしまうとオレは寝ずに、窓から外を眺めていた。

「どうしたんだってば。」

さすがに物音で気づいたのか、寝坊眼でオレの方に近づいてきたナルトは

「寂しくなった?」

と言ってなんの脈絡もなくオレのアソコに触ってきた。

「何す……ッ!」

脱いだまま下に何も着けずいたオレは、ダイレクトにその刺激を受け身悶えた。

「なんでパンツはいてないってば。」

誘ってんの?

寝惚けてるせいか不敵な笑みを浮かべたナルトはチュと口の端に口づけると、オレのアソコを奥までくわえた。

出したばかりだと言うのに唾液でベトベトにされたソコはしっかりと反応を示し、自己を主張し始めていた。

「やめろ……ッ!」

いつの間にか格段に上手くなっているその行為に、オレは思わずナルトを引き剥がした。すると、ナルトは悲しい顔をして

「やっぱりオレのこと、嫌い?」

と聞いてきた。

「言ったろ。オマエには興味ないって。」

嫌いでもなんでもねーよ。と顔を背けながら言うと、ナルトは

「そっか。」

と小さくうつ向いて

「オレはサスケが好き。」

と小さく呟いた。





オレは耳を疑った。ナルトをしっかり視界に入れ込むと、その言葉に耳を傾けた。

「オレ、サスケのためにいっぱい練習したんだ。嫌いな本だっていっぱい読んだし、他のヤツらに頼んでヤらせてもらったりもした。サスケが喜んでくれるために、オレ、精一杯頑張ったんだ。」

切な気に語るナルトにオレは何も言えなかった。何かを言える立場になかったと言った方が正しいかもしれない。

「でも、オレじゃあサスケに喜んでもらえないみたいだってばよ。」

ナルトは寂しげにそう言うと、

「無理に立たせて悪かったってば。責任取るから最後まで抜かせてくんない?」

とオレのアソコに優しく触れた。

コイツはトンでもないウスラトンカチだった。





「うわ……ッ!」

オレはその場にナルトを押し倒すとその頬にまぶたに額に鼻に、惜し気もなくキスの雨を降らせた。

「サ、スケ?」

キスの合間にオレの名前を呼ぶナルトがどうしようもなく愛しかった。

全部オレのためだったなんて信じられない。

オレはナルトの着ているものを肌けさせると、その鎖骨から首筋にかけて優しく舌を這わせた。

ナルトは困惑しながらも小さな声を上げる。

「いきなりどうしたんだってばよサスケ?」

止まらないオレの手を抑えながら、まだ理性の確かな声で豹変したオレに疑問を投げ掛ける。

言いたいことは沢山あった。言わなきゃならないことも山のようにあった。けれど、それが全て言葉にならなかった。

ただひとつ言えたのは、



「オマエを抱きたい。」



それだけだった。

ナルトは少しだけ目を丸くしたけれど、すぐに笑って

「もちろんだってばよ。」

と頷いた。





こんなにも人を愛しいと思ったのは初めてだった。

感じるままに抱いて、抱きしめて、夜を共にした。

沢山のキスをして、沢山の言葉を交わした。

オレも好きだとずっと好きだったと初めて言えた。

初めてだった。

人に触れると言うことが、こんなにも温かいものだと言うこと初めて知った。

オレはナルトが好きだったんだ。

ずっと、その言葉を探していたんだ。

ずっと、その言葉を待っていたんだ。

ナルトがくれた、最愛の言葉だった。





無事任務から帰還するとナルトは自宅ではなく一楽へとオレを誘った。

「今日は味噌が食べたいってばよ!」

と大変ご機嫌な様子でオレは何よりだった。

焦る必要はもう何もない。

ナルトはただそこにいて、オレもただここにいるだけなのだから。

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